飛乃剣弥という作家がいた。
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飛乃剣弥
あけましておめでとうございます。
昨日、小説家になろうという小説投稿サイトで活動しておられる秋沙美 洋さんのページに、
(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/17525/blogkey/1311716/)
掲載されていたのを偶々見つけました。
飛乃剣弥作品の感想・評価としてこのブログに載せたかったので、許可を得て転載させて頂きました。タイトルもそのままです。
秋沙美 洋さん、ありがとうございました。
『ライトノベル作法研究所(ラ研)という、僕がよく利用する小説投稿サイトがある。そこは自分の小説に点数を付けてもらう事が出来るのだが、合計300点/平均25点以上という基準を満たすと、その作品は殿堂入り作品として「高得点掲載所」という場所に保管される。
殿堂入りというくらいだから、簡単には叶わない。特に長編となれば読者の目も厳しくなるため、達成はより一層困難になる。ラ研の長編の間はレベルの高い作品が集まるのだが、長編で殿堂入りを果たすのは一年に二〜三作程度である。
飛乃さんは、そんな長編での殿堂入りを四回達成するという記録を持つ。長編での殿堂入り四回というこの記録は、数多いるラ研の書き手の中でも最高記録だ。
正直言うと僕は、飛乃さんの作品は「未完の魂、死の予定表」しかまだ読んでいない。けれど、僕はこの一作に確かに心を揺さぶられた。
とにかく上手い。複数いるキャラクター達はそれぞれ違った良さを出しているし、最後のどんでん返しは全く予想出来ない。
僕が一番凄いと思ったのは、緻密に計算された構成。かなり長い作品なのだが、物語に不要なシーンが一切無い。自分も小説を書くから分かるのだが、意識していても無駄なシーンというのは(短編でさえ)出てきてしまう。
また、作品後半には突拍子のない目まぐるしい展開があるのだが、そこに無理矢理感は一切ない。これもまた作者のずば抜けた構成力の為せる業である。
読者として読めば普通に面白い小説だが、書き手目線で読んだ時、この小説はその辺のプロでは歯が立たない程のレベルの高さがある。
これほどの技術を持った書き手なのだから、今頃商業デビューを果たしているのだろうと思い、飛乃剣弥という名前をwebで検索した。
飛乃さんのブログはすぐに見つかった。
飛乃さんは、2014年に病気で亡くなっていた。
ブログには予約投稿の遺書が投稿されており、そこには色々なことが書かれていた。自分の人生のことや、小説のこと、親族へのメッセージなど。
死が間近に迫っていたはずなのに、その文面は面白おかしく飄々としていて、いかにも作家らしかった。死を感じさせないというか。
そして飛乃さんは自身の遺書にまで、読者を驚かせる「仕掛け」を仕込んだ。
ここで仕掛けの内容を語るのは無粋なので控えておくが、最期まで読む人を意識するかのような作家魂には、同じ創作者としてとにかく尊敬の念を禁じ得ない。
まだ一作しか読んでいないので、これから飛乃さんのブログ内にある他の作品にも目を通してみようと思う。
頑張って小説書こう。僕はあの遺書を最後まで読んじまったから。』
『複数いるキャラクター達』
『緻密に計算された構成』
『作品後半には突拍子のない目まぐるしい展開』
『最後のどんでん返し』
流石に飛乃剣弥作品の特徴をよく捉えられていますね。
「伏線大好き」がt『緻密に計算された構成』に繋がっているのでしょうか。
剣弥もこの作品が自薦他薦共に最高作品と申しておりました。
どの作品を応募したのか聞き漏らしましたが「商業デビュー」に至りませんでした。
でもそれはそれで結果として良くて、研究者としての本来の仕事に打ち込む事ができました。
その後も、ペースを落として書き続けていたのは、色々人生を経験した後でもっと濃い作品を書くつもりだったのでしょうか。
本人も言っているように、死線を彷徨った後に生還出来たら、新しい境地が拓けていた事でしょう。
秋沙美 洋さん
頑張って良い作品を発表して、商業デビューして下さいね。
また他の作品の感想も読ませて下さいね。
ホームサイトへの案内状
殿堂入りというくらいだから、簡単には叶わない。特に長編となれば読者の目も厳しくなるため、達成はより一層困難になる。ラ研の長編の間はレベルの高い作品が集まるのだが、長編で殿堂入りを果たすのは一年に二〜三作程度である。
飛乃さんは、そんな長編での殿堂入りを四回達成するという記録を持つ。長編での殿堂入り四回というこの記録は、数多いるラ研の書き手の中でも最高記録だ。
正直言うと僕は、飛乃さんの作品は「未完の魂、死の予定表」しかまだ読んでいない。けれど、僕はこの一作に確かに心を揺さぶられた。
とにかく上手い。複数いるキャラクター達はそれぞれ違った良さを出しているし、最後のどんでん返しは全く予想出来ない。
僕が一番凄いと思ったのは、緻密に計算された構成。かなり長い作品なのだが、物語に不要なシーンが一切無い。自分も小説を書くから分かるのだが、意識していても無駄なシーンというのは(短編でさえ)出てきてしまう。
また、作品後半には突拍子のない目まぐるしい展開があるのだが、そこに無理矢理感は一切ない。これもまた作者のずば抜けた構成力の為せる業である。
読者として読めば普通に面白い小説だが、書き手目線で読んだ時、この小説はその辺のプロでは歯が立たない程のレベルの高さがある。
これほどの技術を持った書き手なのだから、今頃商業デビューを果たしているのだろうと思い、飛乃剣弥という名前をwebで検索した。
飛乃さんのブログはすぐに見つかった。
飛乃さんは、2014年に病気で亡くなっていた。
ブログには予約投稿の遺書が投稿されており、そこには色々なことが書かれていた。自分の人生のことや、小説のこと、親族へのメッセージなど。
死が間近に迫っていたはずなのに、その文面は面白おかしく飄々としていて、いかにも作家らしかった。死を感じさせないというか。
そして飛乃さんは自身の遺書にまで、読者を驚かせる「仕掛け」を仕込んだ。
ここで仕掛けの内容を語るのは無粋なので控えておくが、最期まで読む人を意識するかのような作家魂には、同じ創作者としてとにかく尊敬の念を禁じ得ない。
まだ一作しか読んでいないので、これから飛乃さんのブログ内にある他の作品にも目を通してみようと思う。
頑張って小説書こう。僕はあの遺書を最後まで読んじまったから。』
『複数いるキャラクター達』
『緻密に計算された構成』
『作品後半には突拍子のない目まぐるしい展開』
『最後のどんでん返し』
流石に飛乃剣弥作品の特徴をよく捉えられていますね。
「伏線大好き」がt『緻密に計算された構成』に繋がっているのでしょうか。
剣弥もこの作品が自薦他薦共に最高作品と申しておりました。
どの作品を応募したのか聞き漏らしましたが「商業デビュー」に至りませんでした。
でもそれはそれで結果として良くて、研究者としての本来の仕事に打ち込む事ができました。
その後も、ペースを落として書き続けていたのは、色々人生を経験した後でもっと濃い作品を書くつもりだったのでしょうか。
本人も言っているように、死線を彷徨った後に生還出来たら、新しい境地が拓けていた事でしょう。
秋沙美 洋さん
頑張って良い作品を発表して、商業デビューして下さいね。
また他の作品の感想も読ませて下さいね。
